本記事は、看板業界で起こりやすいM&Aの論点をもとに構成した想定・編集事例です。当センターの成約実績ではなく、特定の企業・案件・成約条件を示すものではありません。譲渡前に何を整理すべきかを理解するための参考ケースとしてご覧ください。
目次
想定ケースの概要
北陸圏のサイン印刷会社を、印刷グループが再建を前提に引き継ぐ場面を想定します。設備更新の負担を抱える一方で、材料在庫と顧客基盤を生かして粗利を改善できるかが検討の軸です。
想定ケースの骨子
- 譲渡対象:サイン印刷
- 譲受候補:印刷グループ
- 取引類型:株式譲渡
- 主な強み:出力設備、材料在庫、顧客基盤
- 主な論点:借入、リース、粗利改善
譲受候補が確認する主な価値
評価のポイント:出力設備の稼働・更新余力
譲受候補は、設備の稼働状況、保守履歴、操作できる従業員、今後必要な更新投資を確認します。
評価のポイント:材料在庫
譲受候補は、材料在庫の数量、評価額、保管状態、長期滞留品を確認し、適正な在庫管理が行われているかを検討します。
評価のポイント:顧客基盤
譲受候補は、顧客別売上、契約、受注窓口、継続発注の状況を確認し、特定の営業担当者に依存していないかを検討します。
デューデリジェンスで確認する論点
借入とリースの残高、設備の実稼働率、長期滞留在庫を確認します。顧客別・製品別の粗利を出し、更新すべき設備と縮小すべき工程を分けて検討します。
想定される引き継ぎ
設備ごとに継続、更新、売却の方針を決め、材料在庫の使用計画を作ります。顧客対応を止めないよう、外注への切替期間と新しい原価基準も共有します。
この想定ケースの要点
再建型の承継では、設備を多く持つことが強みとは限りません。利益を生む設備と将来負担になる設備を、案件別採算で分けることが先決です。

